物理のノート

電磁気回路の基礎と応用>発電機>三相交流電源におけるベクトルオペレータと位相

ベクトルオペレータ

一次変換

$a,b,c,d$を複素数または実数として, \[ ad-bc \ne 0 \] とする.この時, \[ \omega=\frac{az+b}{cz+d} \] を一次変換(メビウスの変換)と呼ぶ.一次変換を変形すると次の逆変換が得られる. \[ z=\frac{d\omega-b}{-c\omega +a} \] ところで, 複比は一次変換で不変な量である.

[>>>スミスチャートと双曲幾何>複比]

下記の$\lambda$の恒等変換 \begin{equation} \lambda= [\infty,0,1,\lambda] \end{equation} において, $\infty,0,1,\lambda$の位置を入れ替えると,6つの複比が得られる. \[ \lambda, \frac{1}{\lambda},1-\lambda,\frac{1}{1-\lambda},\frac{\lambda}{1-\lambda},\frac{1-\lambda}{\lambda}. \] この時, \begin{equation} \lambda =\infty,0,\pm 1,\frac{1}{2},2, \frac{1\pm j\sqrt 3}{2} \end{equation} については, $\lambda=\infty,0,1$に対する相対的位置に幾何学的な意味があるという.

少なくとも, \[ \lambda =\frac{1\pm j\sqrt 3}{2} \] は「三相交流電源におけるベクトルオペレータ」として, 電気技術の計算の中に現れる.

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