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物理のノート
波動関数>アンテナと無線通信(巨視的)>三次元の空間と時間>極座標(球面座標)
三次元空間における電磁波の記述方法
領域内に波源がない場合
極座標における波動方程式の一般解
極座標成分で表したスカラー波動方程式ψ(r,θ,ϕ)を準備する.
まず極座標は次のように表される.
x=rcosϕsinθ,y=rsinϕsinθ,z=rcosθ
極座標成分を波動方程式に代入して整理する.
∇2ψ+k2ψ=0
{1r2∂∂r(r2∂∂r)−LL2r2}ψ+k2ψ=0
[1r2∂∂r(r2∂∂r)−1r2{−1sinθ∂∂θ(sinθ∂∂θ)−1sin2θ∂2∂ϕ2}]ψ+k2ψ=0
なお,
LL2=−1sinθ∂∂θ(sinθ∂∂θ)−1sin2θ∂2∂ϕ2
LLは,角運動量演算子と呼ばれる.
2階線形微分方程式のスカラー波動方程式ψ(r,θ,ϕ)の一般解は次のような形式で表される.[>>>直角座標における波動方程式の一般解]
ψ=R(r)P(θ)Φ(ϕ)=RPΦ
(4)式に代入すると,
[1r2∂∂r(r2∂∂r)+1r2{1sinθ∂∂θ(sinθ∂∂θ)+1sin2θ∂2∂ϕ2}]RPΦ+k2RPΦ=0.
両辺にr2RPΦをかけて整理する.
[1Rddr(r2dRdr)+1P{1sinθddθ(sinθdPdθ)}+1Φsin2θd2Φdϕ2]+k2r2=0.
さらに定数項をまとめて,
k2r=1Rddr(r2dRdr)+k2r2
と置き変えると,
1P{1sinθddθ(sinθdPdθ)}+1Φsin2θd2Φdϕ2+k2r=0,1sinθddθ(sinθdPdθ)+(k2r+1Φsin2θd2Φdϕ2)P=0.
ここで,
1Φd2Φdϕ2=−m2
と置き換えて,(10)式を次のように変形する.
1sinθddθ(sinθdPdθ)+(k2r−m2sin2θ)P=0.
(12)式は陪ルジャンドル方程式(associated Legendre equation)と呼ばれる.またその一般解は次のように表される.
P(θ)=B3Pmn(cosθ)+B4Qmn(cosθ).
なお, Pmn(cosθ),Qmn(cosθ)はそれぞれ第1種, 第2種の陪ルジャンドル関数(associated Legendre function)を示す.
以上で, P(θ)の一般解が得られた.続けてR(r),Φ(ϕ)について一般解をそれぞれ求める.
R(r)については(9)式を変形し,
k2r=1Rddr(r2dRdr)+k2r2,1Rddr(r2dRdr)+k2r2=k2r,(r2d2Rdr2+2rdRdr)+k2r2R=k2rR,r2d2Rdr2+2rdRdr+(k2r2−k2r)R=0
k2r=n(n+1),kr≡xと置き換える(≡は合同記号).
x2d2Rdx2++2rdRdx+{(x2−n(n+1)}R=0
R=W√xと置き換えて変形する.
x2d2Wdx2++2rdWdx+{(x2−(n+12)2}W=0
これはn+12次のベッセル方程式(vessel function)である.その一般解は,次のように示される.
R(r)=B1jn(kr)+B2nn(kr).
jn,nnはそれぞれ第1種, 第2種の球ベッセル関数(spherical vessel function)を示す.
Φ(ϕ)については, (11)式の2階線形常微分方程式を解いて,一般解を求める.すなわち,
Φ(ϕ)=B5cosmϕ+B6sinmϕ.
R,P,Φそれぞれの一般解が導出された.(6)式に代入すると,極座標における波動方程式の一般解が得られる.
Ψ(r,θ,ϕ)={B1jn(kr)+B2nn(kr)}{B3Pmn(cosθ)+B4Qmn(cosθ)}(B5cosmϕ+B6sinmϕ).
境界条件を用いた波動方程式の特解
(1)導波管内の電磁波の分布
(1)-1 TEモード
(1)-2 TMモード
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